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ライティングノート/スープカレー

撮影風景

撮影ではかかせないライティング(採光)。スタジオアイでは多くの料理写真は、ストロボを使用して撮影しています。弊社では、スタジオと呼ばれる、撮影の為に作られた空間で被写体にライティング=採光をして、たくさんの撮影を進めています。

 

ストロボってなんですか?

ストロボはシャッターを押した時に一瞬光る構造をもったライトで、好きな位置に移動させながら調整します。カメラはストロボが一瞬放つ強い光りに、露出を合わせているので、通常ついている部屋の蛍光灯やその他の照明はほとんど写真には反映されずに、ストロボの光だけを反映した写真を撮ることができるのです!


撮影風景

 

今回は、弊社のお仕事の現場、佐々木フォトグラファーの現場で、ライティングをみせてもらいました!

studioEYEライティングノート

最初におみせした、スープカレーの写真を撮影した佐々木フォトグラファー。今日は実際に弊社で撮影していたライティングを解説致します!たくさんの方に、ライティングについて少しでも興味を持っていただけると嬉しいです!早速実践に入っていきましょう!

撮りたいものを配置する

撮影において、写すものを整理することは重要なポイントになってきます。撮りたいものをメインとしたアングルを構えてからそのほかの映るものを配置していきましょう。写真撮るのが苦手・・・という方は、この時に「写真って難しい。。。」と、『迷子』になってしまう方が多いようです。今回はスープカレーを撮りたいので、まず最初に画面においてのカレーの位置と、画面に入るカレーの大きさをしっかり決めると、もともと自分が撮りたかった写真に近づくかもしれません。メインの被写体の捉え方をしっかり決めてから、その他の写しこみたいアイテムを配置しましょう。脱!★迷子!

 

 

 

基本はメインライト

メインライトを右側からあててみました。その光を左から鏡でかえして具材のツヤを出すライティングをしています。メインライトは被写体からかなり距離を離していますね。光は、拡散していく性質があるので、こうすれば、1灯だけでも、全体的にまんべんなく光をあてることができます。距離を離してカレーに光をあてることで、ストロボ光は点光源になり、晴天の日の太陽光のような効果が生まれます。カリっとした光の質になり、テーブルにはパキッとしたはっきりした影が落ちます。

 

もっと印象的な写真にするためには

全体的にまんべんなく広がったメインライトの光をスープカレーの周りだけに落ちるように、必要のない光をボード等でカットします。

もっと印象的な写真にするためには

 

まわりのアイテムを暗くすることで、スープカレーにもっと目がいくような演出にしてみました。

影の部分の調整

高さのあるスープカレーの器なので、器の影がかなり暗く出ました。手持ちの鏡で返した光は当てる範囲はカレーの中の具材しかカバーできないので、新たにレフ板でカレーの器の影を明るく起こすと良いでしょう。今日は、左からライトをもう1つ使い、ライトでレフ版のような効果を出しています。ロール状のディフューザーを広げ、その面にライトを広めにあてて、広い面光源を作ります。器の黄色い部分が浮き上がりスープカレーの存在感がより強調されました。

複数ライトを使う時の注意点

メインライトの影を補う効果をねらって2灯目以降を用意すること。ライトでレフ版のような効果をだしたいので、補助光として柔らかい光の質をつくりレフ版を使用するような効果を狙うこと。メインと補助の役割をするライトのバランスがくずれると、迷子になりやすいので要注意です!予めきめていたイメージをきちんと心の中で大切にしながら撮影することが大切です。

仕上げ

ひととおりライティングの調整が終わりましたが、お料理のコンディションは大丈夫でしょうか?料理が出来てからライトの調整をしていると料理が冷めてしまったり、乾いてしまいます。ライティングが完璧にできていても、美味しそうな写真を撮ることができません。なので実際に使う器を事前に借りておくか、本番で使うものと似たような形状の器や中身のサンプルを置きながらライティングを進めておくと料理が新鮮なまま本番の撮影ができます。本番の撮影の前にお料理が乾いているように見えたら、ツヤ出しをして、料理の魅力を取り戻してあげましょう。今回は、チキンが乾いてみえたので、油を塗りました。スープカレーのスープを塗っても良いかもしれません。ツヤ出しは、素材がもともと持っている成分を考えて、合うものを選びます。

 

大切なことは、写真へのこだわり

さて、満足のいくイメージが写真に現れているでしょうか。

目的のイメージにするために誰かの補助が必要でしたら遠慮なくお願いしましょう!被写体に対する撮影者の思いが良い写真作りへ繋がります。良い写真になるのであれば、カメラマンはわがままになっても良いと思っています。(迷惑のかからない範囲で)

じぶんらしさ

世界に1枚だけの写真を撮るために、こだわった撮影を繰り返すことで、自分の好みのライティングが生まれ、結果、自分らしさがみえてきます。使いやすいライティングをどんどん自分のものにしていくことで、フォトグラファーとしての引き出しが増え、さまざまな環境で対応していける力が身につきます。

 

text by KATOMI