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スタイリングの可能性
「スタイリング」というと、お洋服のコーディネートやヘアスタイリング等のことを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。毎日皆さんが何を着ようか選ぶこともスタイリングといいますね。シーンは異なりますが、料理を美味しそうに見せるために食器を選んだり、小物やカトラリーを選ぶこともスタイリングといいます。
私は現在二児の母で下の息子は離乳食を食べる時期です。離乳食は見た目がドロドロとしていて、あまり美味しそうには見えません。加えて、息子の食が進まない時に苛立ちを覚えてしまうことがあります。
そこで、食事時間を少しでも楽しんでもらえるよう(息子にとっても私にとっても)器をカラフルなものや私の気分があがるようなものにしてみました。写真はこちらです!
息子へ離乳食を食べさせる時間が億劫ではなく楽しいと感じるようになってきました。すると、私の気持ちが伝わったのか息子も段々と離乳食を食べるようになってきた気がします!
このように同じ料理でも器を変えるだけで印象が全く違います。これがフードスタイリングの楽しいところで器やカトラリーを変えるだけでお料理は同じなのに、味わいも違うような全く違う食空間を作ることができるのです。意識をしてスタイリングすれば、写真一枚で賑やかな食事空間や一息つくカフェ時間だったり一日の終わりの晩酌タイムやいろんなストーリーを表現することができますね。それでは、私がスタイリングする時に意識していることをお伝えします。
使用した食材を周りに小道具として置く
ケークサレを切った時にでる食材の欠片を、小道具として周りに散らすことで華やかになります。
ケークサレ生地の小さな欠片も、普段の撮影だったら綺麗に取り除くのですが、あえて残すことで、自然なシーンを表現できますね。
色を統一する
韓国風なおつまみシーンは、器を黒系で揃え、あまりたくさんの色を入れないようにしました。そうすることで統一感が生まれ、落ち着いた雰囲気が出てきます。
統一感のある中に差し色を入れて華やかに
同じ下地でも、ピンクの布を入れることでまた違った雰囲気を表現できますね。また、空いた空間にお箸と小皿を1セット加えるだけで二人でお酒を飲む楽しい時間に感じます。撮影シーンに合わせて、様々な要素を取り入れながらスタイリングをしています。
お箸の置き方で伝えるメッセージ
下2枚の写真はほぼ同じスタイリングですが、どこが違うか分かりますか?
正解は、お箸の置き方と葉の写りこみ方が違っています。お箸は箸置きに置くと、「これから食べるんだな」というシーンになり、お皿に置くと、「これからみんなで取り分けてお料理を頂く楽しい時間」の表現になります。お箸の置き方だけで写真を見た時の印象が大きく変わります。小道具で入れた葉は、少し空間が空いていて寂しいと感じる時、写り込むだけで爽やかな印象になりますし、寂しい空間も賑やかしてくれます。
いつもと用意する順番を変えてみる
また、料理をするときに盛り付ける器を先に決めてから調理を始めると器に対する食材の切り方もイメージしやすいので失敗も少なくなります。調理の時からスタイリングは始まっているんですよね。
最後に
手の込んだ食事じゃなくても、スタイリングをすれば美味しそうに見えるし、美味しくなる(美味しく感じることができる)そうすることでお料理も楽しくなるのではないでしょうか。目でも楽しむ食事で美味しい時間をお過ごしください。ぜひ、皆さんもスタイリングの楽しさを体験してみてください。あなたの食卓が、より彩り豊かで楽しいものになりますように!
text by 庄子笙子